光線過敏症の症状と治療法

光線過敏症の分類

 

前項でも少し触れましたが、光線過敏症には「遺伝性光線過敏症」があります。これは、「色素性乾皮症」と同様に、紫外線によって傷害されたDNAを修復する酵素の先天的欠損が原因で光線過敏が生じるものです。

 

ちなみに「色素性乾皮症」は、常染色体劣性遺伝性の光線過敏性皮膚疾患で、一般的にUV(紫外線) には、細胞内の遺伝子のDNAを損傷する作用があり、損傷を受けたDNA細胞はがん細胞となる可能性が高まるのです。

 

他にも、細胞自体が障害を受けて、細胞死となり、水疱等の火傷のような症状になることもあります。

 

「代謝性光線過敏症」は、ポルフィリン症と同様に、ポルフィリン代謝異常によってポルフィリン体が蓄積して起こります。ポルフィリン症は、ヘム合成系酵素の異常によって、中間代謝物(ウロポルフィリノーゲンI)などの排出量が排便時に増加する状態のことです。

 

「光毒性光線過敏症」は、一般的に言う日焼けのことです。これは誰にでも起こりうる症状で、病的な光線過敏症は日焼けのし過ぎが大半の原因ともされています。

 

「光アレルギー性光線過敏症」は、紫外線の特定波長によって、ある薬剤が化学変化を起こして、ハプテンとなり、生体蛋白質との結合に対する免疫応答が起きるものです。

 

ハプテン (hapten) という抗原は、免疫原性を欠いた反応原性だけをもつ抗原で、特異抗体とは反応しても、抗体、リンパ球の増殖誘導しない性質の物質のことです。